芸術的トマソン

私には何もありません。

#本棚の10冊で自分を表現する

二丁目のフィールド・オブ・ドリームス

二丁目のフィールド・オブ・ドリームス

 

野球エッセイ。どんな人の隣にも野球が存在していることを教えてくれる大切な作品。鬱でも、病気でも、隣には野球がある。

「私に、とうとう本当に野球がやって来たのだ!」

 

野球の国のアリス (講談社文庫)

野球の国のアリス (講談社文庫)

 

青少年向けの小説が文庫化。少女が全てが逆転した不思議な世界で野球をする話。読むたびに泣きそうになる。

「白いボールを投げて打って走ってるのんきな連中と、人には見えるかもしれない。でもね、誰にだって好きなことはあるだろう。どうしてかは、わからない。だけど、アリスは野球が大好きなんだ」

 

カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)

 

こちらも青少年向け。一人の人間が、自殺したが生き返った少年の体に乗り移る。物語の結末は見えているが、過程にぐっとくる。

「友達と大勢で騒ぎながら学校に行ったり、帰りにどっかへ寄り道したり。ぼくが高校でしたいのは、そういう、めちゃくちゃふつうのことなんだよ」

 

八木重吉全詩集〈1〉 (ちくま文庫)

八木重吉全詩集〈1〉 (ちくま文庫)

 

打って変わって詩集。自然と病をテーマにした詩を書き続けた八木重吉の作品をまとめたもの。家用と持ち歩く用の二冊を持っているほどには好き。辛い時に広げると、その時の感情にマッチした文が書かれている。

 

銀河鉄道の夜 他十四篇 (岩波文庫 緑76-3)

銀河鉄道の夜 他十四篇 (岩波文庫 緑76-3)

 

岩波版。表題作がいつまでも心に残り続ける。ジョバンニとカムパネルラの恋にも似た友情。あっけなくもたらされるリアルな死。ひしひしと伝わる孤独が心に突き刺さる。これほど幻想的で孤独な作品を他に知らない。

「ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひとはないだろうか」

 

不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

 

三島由紀夫によるエッセイ。泥棒の専門学校を作るべきだ、など一見不道徳に思える言葉が書いてあるが、それが道徳的な結末を生むレトリックは見事。

「どんなに醜悪であろうと、自分の真実の姿を告白して、それによって真実の姿をみとめてもらい、あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうなどと考えるのは、甘い考えで、人生をなめてかかった考えです」

「というのは、どんな人間でも、その真実の姿などというものは、不気味で、愛することの決してできないものだからです」

 

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

 

野球小説、と言うと語弊があるか。だが、読んでもらえればその意味がわかるはず。美しい数式と、江夏豊と、恋愛でなく家族愛でもない愛が紡ぐ物語。

完全数、28」

 

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)

 

岡本太郎の人生訓が詰まったエッセイ。心が弱っているときには、毒にも薬にもなるような本。時々読み返しては、エネルギーにしている。

「いじめられるんじゃないかという恐怖心を持つのは“人間”だからなんだ」

 

限りなくシンプルに、豊かに暮らす

限りなくシンプルに、豊かに暮らす

 

住職の方が書いた、禅とシンプルライフの本。なかなか実践できていないことも多いが、一度、全てを捨てた自分の心境に合う部分が多く、賛同しながら読み進めた。今でもたびたび読み返している。

 

残りの一冊はまだ無い。

これからたくさんの本を読み、その一冊を見つけていきたいと思う。